デタマネ・ナビゲータ晶吉ブログ:(第1回)お客様に寄り添いたいのに…【前編】 ~気をつけろ、2025年の崖の手前には落とし穴があるぞ!シリーズ

2022-06-15

「拝啓、データの向こう側より」
はじめまして、晶吉(ショーキチ)です。
国内メーカー企業に32年間勤務した後、どうしてもデータマネジメントの世界に身を置きたくて、定年退職まで5年を残してリアライズへ転職してきました。
デジタル革命の時代と言われる現在、データを武器とするために必要となるデータマネジメントの世界と、その向こうに広がるビジネスの成長へ皆さまをナビゲートいたします。

 

はじめに

2018年に経済産業省が発表した『DXレポート』は、国内に大きな衝撃をもたらしました。

中でも、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の潮流に乗り遅れると、2025年には取り返しのつかない経済損失につながるという、いわゆる“2025年の崖”はショッキングなものでした。

 

DXレポートでは、2025年までにレガシーシステムと呼ばれる個別最適化・サイロ化してしまった旧来の業務システムを、新たなデジタルビジネスに対応できるように刷新しなければならないと言われています。

しかし現実には、レガシーシステムを最新の業務パッケージに置き換えただけでは問題解決には至りません。

サイロ化の問題の本質は業務システム(業務アプリケーション)の分断ではなく、データの分断だからです。

 

ブログ第1回目は、データマネジメントが出来ていないと、どんな困りごとが起こってしまうのかを事例とともにご紹介します。

題して『気をつけろ、2025年の崖の手前には落とし穴があるぞ!』です。

どんな落とし穴が待つのか、一緒に覗いてみましょう。

 

 

B社の焦り~ 迫撃の競合Z社!

大手小売りチェーンのB社は、郊外に展開する大型店舗と30年以上前から続く人気のテレビショッピングの両輪で事業を拡大してきました。一度聞いたら忘れられないテーマソングとともに、日本中の誰もがB社を知っていました。

ところが近年、海外から進出してきたEC事業を展開する競合Z社は予想を上回る急成長を遂げ、B社にとって大きな脅威となっていました。

B社もECサイトを立ち上げていますが、競合Z社に比べれば、品揃えの面でどうしても見劣りがします。

 

 

B社の強みを活かした新戦略~ 作戦名は「お客様への寄り添い力」

そこでB社は、真っ向からECサイトで対抗するのではなく、自社ならではの強みを活かした戦略を掲げました。

B社は長い年月をかけて磨き上げてきた受注コールセンターとリアル店舗での“顧客応対力”、そして大人から子供まで誰からも認知されている“ブランド力”という無形の資産を組み合わせた「お客様への寄り添い力」で対抗することを考えました。

 

それは、オンラインのECサイトしか持たない競合Z社には決して真似のできない戦略であり、圧倒的な物量を誇る競合Z社からB社のシェアを守る砦であると考えました。

また同時に、それまでは“点”でしか捉えられなかった販売機会を、顧客のライフタイムバリュー(入学・就職・出産などのライフイベントで生じる販売機会の総和)として“線”で捉えることによって、従来はできなかったクロスセル、アップセルを拡販するという成長戦略でもありました。

 

 

B社の顧客履歴統合データベース~ 4つの力を結集(Gather)せよ

「お客様への寄り添い力」戦略を実現する具体的な方策は、以下4つのデータを一つのデータベースに統合することです。

1.    受注コールセンターの応対履歴

2.    店舗が発行するポイントカードの利用履歴

3.    商品をお届けした際の配送履歴

4.    ECサイトの注文履歴

これにより、顧客との全ての関わりを可視化して、どこよりも深い顧客理解による応対を行い、顧客との繫がり(エンゲージメント)を徹底的に強くすることでした。

 

また、B社のコールセンターや店舗の担当者は、顧客応対の会話の中からクロスセル、アップセルを行うスキルを従来から身につけているので、統合データベースによって可視化された全ての顧客履歴情報が加われば、顧客のライフタイムバリューを決して見逃すことはないと考えていました。

 

 

 

 

統合データベースの構築にあたり、4つの履歴データを調査したところ、姓名、住所、電話番号、メールアドレス、品目、数量、日付など、全て同じ項目で作られていることがわかりました。

また、B社の業務プロセスは、接客~受注~配送のプロセスが見事に連携しており、現場の実務担当者へのヒアリングでも「全く問題なし」という回答を得ていたので、4つの履歴データは間違いなくプロセス横断で共有できると見込まれました。

そこで複雑なテーブル構造にはせず、シンプルに4つの履歴データを束ねることにしました。

そうすることで開発と運用コストも抑えられますし、何よりも競合Z社の脅威が迫っているので早く開発することが優先されました。

 

“お客様に寄り添う”、“B社の4つの力を結集する”という願いを込めて、新システムは「Gather(ギャザー)」と名付けられリリースされました。

 

しかし!!

リリース初日にまさかの事態が起きたのです。(後編へ続く

 

 

おわりに

ブログを最後までお読みいただき、ありがとうございます。

第1回『気をつけろ、2025年の崖の手前には落とし穴があるぞ!』前編―いかがだったでしょう?

B社の競争+成長戦略を担うべく開発された、顧客履歴統合データベース「Gather」は、迫り来る競合Z社に対抗するB社の救世主になれるのでしょうか?

結末は後編をご覧ください。

 

次回も皆さまを“データで創る一歩先の未来”へナビゲートさせていただきます。

敬具

 

 

※本文中のケースは実際にあった事例をベースとしたフィクションです。実在する企業・団体とは関係ありません。

 

 

 

次回のデタマネ・ナビゲータ晶吉ブログ

お客様へ寄り添うはずの新システムが、リリース初日からまさか大混乱を招くことに。その原因は?

(第2回)お客様に寄り添いたいのに…【後編】

 

     
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