ホーム>ニュース&トピックス>お知らせ

業務改革とデータ・マネジメント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
(2008年03月19日)

2008年3月19日に発行された「Bizteria経営企画 Vol.10」に掲載された内容です。

現状を可視化する 「業務改革とデータ・マネジメント」
―データの可視化による業務改革の実現―

ITガバナンスの必要性が叫ばれて久しい。しかし、聞こえてくるのは器(システム)だけの議論であり、その中身の情報(データ)の管理に踏み込んだ議論はほとんどない。「経営や業務とシステムが切っても切り離せない存在になっている今、全ての業務改革にはデータの可視化が不可欠である」と大西氏は説く。顧客のデータ資産の付加価値を高め、業務の効率化・高度化につながる存在として、「データの可視化」が今、クローズアップされ始めた。

データの可視化とは、精緻な「現状の把握」である

IT化、システム化が進んだ社会では、日頃の業務の結果はすべてデータとして蓄積されます。

そうしたデータをマネジメントする「データ・マネジメントビジネス」は、1997年に当社が国内で初めてビジネス化したと言って過言でないモデルだと認識しています。データ・マネジメントでは、日々発生するデータを管理するルールを策定し、高品質かつ持続的に整備・メンテナンスすることで、現状を可視化します。その上で、データを有益な情報に昇華させることでお客様の業務改革を支援します。

データはウソをつきません。正直にその会社の問題点や課題を浮き彫りにしてくれます。その意味では、データを適切に可視化することで「現状の把握」を精緻に行えるといえます。

ただ、どういう形式であれデータが存在しさえすればいいというわけではありません。近年、様々な業界で「データ上の間違いや不整合」に起因するシステムトラブルや、損害賠償請求などの事故が相次いでいます。この問題の本質は、プログラム等のシステム側にあるのではなく、データの信頼性の低下、すなわちデータを整備・検証すべき人間にあることが以外に知られていないようです。

このような問題を回避し、業務改革にデータを活用するには、目標を設定しその達成状況が把握できるような項目を、一貫した形式で正しく整理する必要があります。以下では、蓄積したデータを業務改革に活用する際にカギとなる「データの可視化」について、3つの事例をもとに説明していきます。

事例1:最適調達の実現

図1の例は、ある企業で調達されている同じ種類のノートPCの調達履歴です。現場担当者がデータ入力を実施しているのですが、100人が発生源入力すれば当然100通りの結果になります。基準やルールがバラバラであるため商品名や発注先の表記が統一されていなかったり、数量も10台を1個と数えているレコードがあったりなど、最適調達を検討するための比較可能な情報にはなっていません。

データクレンジングを実施し、商品名や発注先を名寄せし数量も比較可能な形に展開することで、部材や商品を調達する場合に、どこの発注先からいくらで購入するのが最適なのか判断ができるようになります。あるお客様の例では、年間250億円の調達額に対し、一番安い取引先から調達することで年間5億円のコスト削減が可能であるというシミュレーション結果が得られました。営業利益率を10%とすると、5億円の利益を出そうとしたら50億円の売上が必要になりますので、この事例のようなコスト削減ができれば、経営に大きなインパクトを与えます。

図1 : データクレンジングの例
事例1

事例2:受注戦略の構築

年間約40万件のトランザクションデータに対して失注分析を試みていた某自動車OEM向け商社で、データクレンジングをしたときの例をお話します。名寄せをした結果、クライアント・地域・品目・メーカ等の分析軸で取引実態の可視化が可能になり、販売構成や失注案件の傾向が明らかになりました。たとえば、A社では部品αを提案されても購入しない、部品βの需要があるときに部品γを購入されておりクロスセルの機会があることなどが判明しました。ここから販売戦略をお客様別に練り直し、受注率向上の対策を導き出すことに成功しています。

事例1、事例2で示したように、お客様の業務目標を考え、それにあったデータ・マネジメントを行って戦略を再構築することは、競争が激化する現代において企業が勝ち残っていくために有効な手段であるといえるでしょう。また、前述のとおり、「データはウソをつかない」ので、困難があっても改革を実行することがどれだけの成果に結びつくのかを極めて明確にプロジェクト関係者に示すことができ、その推進の原動力ともなってくるのです。

事例3:システム構築時のデータ移行

設備資産管理の新システムは構築したものの、もとになるデータをエクセルで管理している事業所もあれば、紙で管理している事業所もあり、保存形態がバラバラのケースがありました。当然、新システムに入れる移行データの構築が困難で、その状況で相談に来られた事例を説明します。

このままではデータのシステムへの移行が困難であるので、お客様の総責任者が発起し、データ構築のプロジェクトを編成しました。事業所ごとにシステムに入れられるように整形したデータを提出していただくことは現実的に不可能であったため、各事業所から図面やエクセルなどの生データをすべて出してもらいました。そのデータも単純に紙からの転記/エクセルからのコピー入力していくだけでは、図2に示すようにデータ項目の統一が取れていないため、弊社でデータ管理ルールを作成した後、現場との元情報の収受管理やコーディング、名称・単位・属性項目等のデータ登録・正規化等の一連の業務を、短期集中的に実施していきました。結果として、現場の負担の最小化が図れ、質・量ともに充実した設備資産マスタがスケジュール通りに構築することができました。机上の想定をもとでシステムを作ってしまうことが多く、どうしても「後々に分析したいのであの情報も欲しい、この情報も欲しい」とやっていくと、現実の運用上ではほとんど値が入らない項目が出てきます。現地・現物で何をデータ化したいかを適切に検証し、そのうえで器であるシステムをデザインしていくようなアプローチが今後より重要になっていきます。

図2 : 移行データ構築イメージ

まずは現状をしっかりと把握し、適切なゴールを設定する

事例1~3に共通した内容ですが、業務改革を成功させるためにはお客様自身が「何をやりたいのか?」「どうしていきたいのか?」という目的・目標を設定し、その達成に必要なデータを収集、分析していきます。またそのときには、「入力データは形式が統一されず汚くなる」「人はミスをする」という性悪説にたって、データの登録や運用体制を整備していくことに留意することも重要でしょう。

適切なデータ・マネジメントを通して蓄積したデータを積極的に活用すれば、現場の業務を可視化し不正の混入などによる企業経営におけるリスク要因を減らせるだけでなく、今回お話させていただいた事例のように、業務改革を成功させる“宝の山”を生み出すことになります。業務とシステムが切り離せなくなっている今日、企業にとって「データとの対話」はますます重要になっているのです。(PDF版を読む)

  • TOP PAGE
  • ISMS
    IS 534084 / ISO 27001
  • リアライズ社長ブログリアライズ社長ブログです。不定期連載中。